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NordLynxの大きな魅力はスピードにあります

WireGuard®ベースの新しいプロトコルであるNordLynxは、その高速性と優れたセキュリティ、プライバシーで、VPNユーザーから厚い支持を得ています。リリース前には、フィールド条件で観察、設定を微調整し、試行錯誤する必要がありました。Linuxでのテストを経て、NordLynxをWindows、Mac、iOS、Androidなどの主要なプラットフォームにリリースする準備が整いました。

Laura Klusaite

Laura Klusaite

Nov 03, 2020 · 1分で読む

NordLynxの大きな魅力はスピードにあります

WireGuard®アーキテクチャにより、NordLynxは同じカテゴリーのどのVPNプロトコルよりも高速であるはずです。しかし、技術的な決定を推測に基づいて行うことはできないので、Nordlynxの将来的なパフォーマンスを把握するために、かなりの数のテストをこなしました(正確には256,886回です)。この記事では、NordLynxが実際どれほど速いかを証明するテストについて解説します。

最初に、背景を少し説明します。

スピードテスト:セットアップ

まず、このような大規模な速度テストで役立つ知見を得るために私たちが使用した方法を見てみましょう。

私たちの目的は、VPNプロトコルが接続速度にどのような影響を与えるかを理解することでした。今回は、VPNを使用する際に考えられる動作パターンの大部分をカバーする4つのシナリオを前もって指定しました。

  1. クライアントが最も近いVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーは可能な限りVPNサーバーに近い状態である。
  2. クライアントが海外のVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーは可能な限りVPN サーバーに近い。
  3. クライアントが最も近いVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーはVPNサーバーから離れている。
  4. クライアントが海外のVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーはVPNサーバーから離れている。

速度テストを実行するために、3つのVPNプロトコル(NordLynx、OpenVPN、IKEv2)とOoklaのSpeedtest CLIツールを設定したDockerイメージを作成しました。イメージを仮想マシン (VM) にマウントした後、2 分ごとに以下を実行しています。

  • 推奨されるVPNサーバーを指定するためにNordVPN APIにクエリを送信
  • テストするプロトコルをランダムに選択
  • テストターゲットをランダムに選択

テスト対象は、接続先のVPNサーバーの国(リストから選択¹)とSpeedtestサーバーの国(リストから選択)の組み合わせで構成されています。

プロトコルごとのVPN接続速度を比較できるデータを得るために、9種類のプロバイダ²、19の都市³、8カ国⁴で47台のVMを稼働しました。

テストを試みるたびに、データセットには次のような行が生成されました。

  1. テストを実施した時のタイムスタンプ
  2. VMの場所
  3. VPNサーバーの場所
  4. スピードテストサーバーの場所
  5. テスト済みVPNプロトコル
  6. ダウンロード速度
  7. アップロード速度

このようにして、1ヶ月間、毎日約8,200回のスピードテストを行いました。(図1. )

毎日実行されたテスト、プロトコルごとの分割
図1. 毎日実行されたテスト、プロトコルごとの分割

下の図にあるように、他ののプロトコルよりもOpenVPNで実行されたテストの方がわずかに多いことがわかりました。この結果は、私たちのネットワークにおけるプロトコルごとのサーバーの分布が不均等であることを説明できます。現在、OpenVPNはNordVPNユーザーの間で最も人気のあるプロトコルです。したがって、私たちのネットワークではIKEv2とNordLynxをサポートするサーバーよりもOpenVPNをサポートするサーバーの方が多いのです。

プロトコルごとのテスト数
図2. プロトコルごとのテスト数

なぜこんなにも多くのテスト回数をこなしたのか?

結果に移る前に、インターネットの基礎に戻って簡単な話をしましょう。

ユーザーのコンピュータからターゲットサーバ(ウェブ、ゲーム、その他のコンテンツサーバー)へのネットワーク層のパケットの経路は、かなりの数のステップで構成されています。

接続速度に影響を与える要因
図3. 接続速度に影響を与える要因

ダウンロードとアップロードの速度に影響を与える要因は、各ステップで数多くあります。これにより、常に完全に高速で安定した接続はほぼ不可能になります。

私たちのデバイスは、モデルによってスループットに一定の限界があります。例えば、Wi-Fi 6を搭載したiPhone t1の場合、理論上のスループットの限界は10Gbpsです。Wi-Fi 5やWi-Fi 4を搭載した古いモデルでは、インターネット接続速度がそれぞれ2.34Gbpsと450Mbpsに制限されます。

さらに、Wi-Fiルーターにもハードウェアの制限があります。ルーターと携帯電話の両方が、スピードテストを実行するときに高負荷になることがあります。お使いのISPは、自宅で仕事をしながら4KでNetflixの『タイガーキング』を見ようとしている人の数によって負荷がかかっているかもしれません。

ここではたった一握りのケースを説明しているに過ぎません。経路全体で速度に影響を与える要因は他にもたくさんありますが(図3)、今すべてを網羅する必要はありません。重要なのは、できるだけ多くのケースをテストする必要があったということです。だからこそこのような膨大な数のテストを行い、絶対数ではなく値の分布に注目したのです。

テスト結果:結局NordLynxの方が速いのか?

冒頭で述べたシナリオを覚えていますか? それでは、ここからはスピードテストの結果を見てみましょう。

シナリオ:クライアントが最も近いVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーは可能な限りVPNサーバーに近い状態である。

このシナリオをテストしたときは、ランダムに選択されたターゲット(VPN サーバー、VMの場所、Speedtestサーバー)はすべてアメリカ国内にありました。以下に、私たちが観測したダウンロード速度を示します。

プロトコルごとのダウンロード速度の分布
図 4. プロトコルごとのダウンロード速度の分布(VM – アメリカ、VPNサーバー – アメリカ、Speedtestサーバー – アメリカ)

これらのヒストグラムから、いくつかのことがわかります。まず、ダウンロード速度の平均値と中央値は明らかにNordLynxの方が高くなっています。IKEv2は2番目で、OpenVPNは3番目です。

もうひとつ注目すべき重要なことは、各ヒストグラムの分散です。ここでは何が起こっているのでしょうか? 前述したように、接続速度に影響を与える要因は多数あります。それを考慮すると、VPNプロトコルがダウンロード速度の上限を引き上げていると言えます。上限値が高いほど、ダウンロード速度の分布に大きなばらつきが見られますが、これは、ノイズの多い環境条件で起こりうる速度低下の幅が広くなるためです。

シナリオ:クライアントが海外のVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーは可能な限りVPN サーバーに近い。

この例は、イギリスにあるVMとSpeedtestサーバー、およびアメリカにあるVPNサーバーを使用して実行したテストです。得られた結果は以下の通りです。

プロトコルごとのダウンロード速度の分布
図 5. プロトコルごとのダウンロード速度の分布(VM – イギリス、VPNサーバー – アメリカ、Speedtestサーバー – イギリス)

ユーザーとコンテンツサーバーの間の経路を長くして、その中間にVPNサーバーを配置することで、プロトコル自体がダウンロード速度に果たす役割が少なくなるほどのオーバーヘッドが追加されていることがわかります。平均値と中央値の両方ともNordLynxの方がまだ高いですが、その差は最初のシナリオほど顕著ではありません。

シナリオ:クライアントが最も近いVPNサーバーに接続しており、コンテンツサーバーはVPNサーバーから離れている。

3 番目の例では、VMとVPNサーバーの両方がアメリカにあり、Speedtestサーバーがイギリスにある場合の結果を示しています。

プロトコルごとのダウンロード速度分布
図 6. プロトコルごとのダウンロード速度分布(VM – アメリカ、VPNサーバー – アメリカ、Speedtestサーバー – イギリス)

これらのヒストグラムはやや読みにくいです。ダウンロード速度の面では、前の例のように明らかではありませんが、ひとつだけはっきりしていることがあります。それは、VPNサーバーとコンテンツサーバーの間の距離が、速度低下の大部分を占めているという点です。

最後のシナリオを紹介する代わりに、距離に焦点を当ててみましょう。その影響をより良く可視化するために、既存のデータセットにさらに多くのVPNサーバーの国とSpeedtestサーバーの国の間の距離に関する情報を追加しました。

プロトコルによるダウンロード速度の違い
図7. プロトコルによるダウンロード速度の違い

プロット内の各点は、VPNサーバーとSpeedtestサーバー間の距離の平均ダウンロード速度を表しています。ここでは大変興味深いことが見えてきます。近くのVPNサーバーに接続して、数千キロの距離にあるコンテンツデリバリネットワークからコンテンツをダウンロードする場合、NordLynxを使えばダウンロード速度は最大で2倍になります。しかし、距離が長くなればなるほど、ダウンロード速度の差は小さくなります。

ではアップロード速度はどうでしょうか。下の図でわかるように、結果は非常によく似ています。

プロトコルによるアップロード速度の違い
図8. プロトコルによるアップロード速度の違い

ダウンロードとアップロードの速度は、OpenVPNとIKEv2と比較してNordLynxの方が最大2倍速くなっていることが、この広範な速度テストの結果に裏付けられています。これはVPNサーバーとコンテンツサーバーの間の距離が数千キロまでの場合に適用されます。このテストの詳細は、測定精度に関するブログ記事をご覧ください

最後に:次はどうすればいいか?

近い将来、VPNの速度に関してさらに面白い情報が出てくるでしょう。現時点では、収集した結果を皆さんがより詳しく確認できるように、256,886回のスピードテストのデータを公開します。自由に掘り下げてご自身の結論を引き出し、私たちにもぜひ教えていただければと思います。

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¹アメリカ、カナダ、ドイツ、香港、シンガポール、オーストラリア、イギリス、オランダ、フランス、日本、スウェーデン

²100TB, ALTUHOST, DigitalOcean, GloboTech, Linode, ONEPROVIDER, Online SAS, OVH, Vult

³アムステルダム、アトランタ、シカゴ、ダラス、フランクフルト、ニューヨーク、ロンドン、香港、ロサンゼルス、マイアミ、モントリオール、パリ、サンノゼ、シアトル、シンガポール、ストックホルム、シドニー、東京、トロント

⁴フランス、イギリス、アメリカ、ドイツ、オランダ、日本、シンガポール、オーストラリア